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業務金庫の火事に対する耐性

業務金庫を導入する目的が、「火事による被害から、重要な書類やデータ、また現金などを守りたい!」という方におすすめなのが耐火金庫です。耐火性能は、ほとんどすべての金庫が持っている性能です。基本的な業務金庫を選ぶ時には、この性能はセットになっていると考えてよいでしょう。しかし、だからといって、「どの業務金庫を選んでも良い」というわけではありません。耐火金庫の耐火性にもグレードがあるからです。

耐火性能は、まず、「どれだけの時間、火災の中でも内部温度を一定温度以下に抑えられるのか」で示されます。0.5時間・1時間・2時間・3時間などのグレードがあるのですが、これらは、表示された時間の耐火性を表しているものです。金庫を置く予定の場所で、どれくらいの耐火性能が必要なのかを検討してみてください。一般の家屋の場合には、家が全焼するまでの時間はおよそ20分程度と言われています。全焼してしまえば、もう燃えるものがありませんからそれ以上温度は上がりません。1時間の耐火性能があれば、概ね安心だと言えそうです。オフィスの場合には、ビルの環境にもよって異なりますが、一般の家屋よりももう少し強い耐火性能が必要だとされています。2時間程度の耐火金庫が目安となるでしょう。しかし、地震による火災の二次被害など、もっと大きな力が作用している場合には、この耐火性能では防ぎきれないことも十分に考えられます。そうしたリスクを軽減するためには、3時間のグレードの業務金庫を選んでおくと安心できそうです。

さて、時間の他にも、内部温度を何度以下に保つのかによって、耐火金庫の性能は異なります。これは、「金庫の中で何を保管したいのか」によって、必要とされる機能が違うからなのです。たとえば、金庫の中に保管したいものが「書類」や「現金」などの紙類の場合には「一般紙用」の耐火金庫で十分です。内部温度は177℃以下に保たれます。紙以外にも磁気テープやCD、MOなどの記録メディアを保管したい場合には、庫内温度を52℃以下、及び湿度80%以下に抑える性能を持つ業務金庫を選ぶ必要があります。この金庫は「フレキシブルディスクカートリッジ用」と呼ばれます。「一般紙用」に比べると、値段が高くなりますが、大切なデータを確実に守るためには必要な性能だと言えるでしょう。

このように、「火災から重要なものを守るため」と言っても、「どんな状況から何を守りたいのか」によって必要な業務金庫の性能は異なります。まずは設置場所、そして金庫の中に入れるものについてよく検討し、必要な業務金庫を絞り込んでみてください。そうすることで比較検討も容易になることでしょう。

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