例えば、耐火金庫から手提げ金庫、はたまた投入金庫や床下金庫まで。
各メーカーが出している金庫のカタログなどを見てみても、素人の方々には、
それらの違いや用途がわからず、何がなにやらわかりません。
金庫という言葉が意味するところは一体どこなのでしょうか。
メーカーによっては、金庫のカタログなのに、「鉄庫」などという
名称で掲載されている物もありさらにまか不思議な気持ちになります。
そして、「金庫」の意味・定義って何なのでしょう?
実は答えは簡単、「防火性能がある箱」か「防火性能が無い箱」かという意味なのです。
これを聞いて「え!?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
例えば、お店のレジにある小さな手提げ金庫。あれには当然耐火性能はありませんよね。
つまりあれは金庫とは呼べません。ただお金を入れるのに適した「開きにくい箱」なんです。
では、一般的な金庫はどうなんですか?と聞かれることがよくありますが、
こちらも結論を申し上げますと「耐火性能のある開きにくい箱」なんです。
よくこんな質問をされます。「金庫に入れておけば、もし金庫ごともっていかれても開かないから平気ですよね」
残念ながら、答えはNOです。
金庫は持って行かれては全く意味がありません。
持って行かれると言うことは、金庫を空ける時間がほぼ無限にあるという事になります。
金庫はいくら頑丈に作っていても時間さえかければ必ず空けることができます。
例えば屈強な男が数人がかりで様々な道具を使って破壊しようとした場合、ものの数時間で破壊が可能です。
結局は鉄とセメントで出来ている箱ですので、時間さえかければ開くのです。
では、か弱い女性が台車で持ち去った場合は大丈夫なのでしょうか?
いえ、こちらの答えもNOです。
なぜなら、今の世の中に存在するほとんどの金庫は、ダイヤル式かテンキー式です。
これらは開けるためのパターンが数万通り存在するだけで、時間をかけて一つずつ試していけばいつかは開けることができるんです。
唯一シリンダーキー(一般的なカギ)だけは、専門知識が少し必要となりますが、
逆に少し開け方を研究すれば開けることが出来てしまうものなのです。
鍵開けのプロの手にかかれば、強固だと言われているディンプルキーでさえ数分で開いてしまうのが現実です。
しかし、”開けにくい箱”であることだけは事実で、泥棒に入られたところですぐに開けられたり、
重量物ですので簡単に持ち去られることを防ぐことができます。
一般的な泥棒は侵入時間はほんの10分程度と言われています。
その間に開けられない場合は諦めてしまうので、結果的に大切な物を守ることができます。
また、最も恐ろしい金庫ごとの持ち去りに対しては、重さで対抗する以外に「固定」「鉄板と連結」などの手法があります。
これらの対策を取ることで金庫を持ち去りから守る事ができるようになり、意味のある金庫となるのです。
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